8ミリフィルムのDVD変換では事前におよその金額がわかるように概算見積作成フォームが用意されています。
その概算見積の最初の前提条件に「正確な再生時間と、それに伴う最終的な金額はフィルムをお預かりした後に明らかとなります」という記載があります。
フィルムを送った後に「こういう追加費用が必要です」なんて想定外の請求を受けるのではと心配になる方もおらるかもしれません。
しかし過去千件以上の見積をお客さんに提示した中で概算と実際の本見積の開きが2倍や3倍になったり、後から大きな追加請求が発生したことは一度もありませんのでご安心いただければと思います。
想定外の対応が必要になるフィルムは箱を開けて確認した時点で把握して見積前に報告できますし、そういったフィルムは作業対象外として除外することを第一選択として提案することでしょう。
たまに音声録音のオープンリール磁気テープが一緒に届くことはありますが、その際は報告の上で対象から除外して見積を立てることが多いです。
概算が想定する誤差というのは「再生時間が100分の想定で概算を出したが、フィルムを預けて調べたら実際の時間は110分で結果ちょっと高くなった」ような状況です。逆に実際の金額が安くなることもあり、それらのほとんどは20%以内の範囲です。
この誤差の原因の1つは定規で測った際の微妙なずれによるもので、フォーム入力では5mm単位で直径を入力しますが実測値が10.3cmとか9.2cmのような場合に10.5とか9.5と設定するとそれが誤差になりますし、きつくフィルムを巻いてある場合とゆるく巻いてある場合も影響があります。
そしてもう一つ大事な誤差の原因はフィルムの厚みの違い。シングルエイトとスーパーエイトというフィルムはそれぞれフィルムベースの厚みが違うので、同じ長さをリールに巻いてもそれぞれ直径は違いますし、同じ直径になるようにリールに巻くとそれぞれ巻いたトータルの長さはやはり違います。つまり同じ直径でもフィルムの種類によって再生時間に差があるということですね。
フィルムの箱に「Single8」や「SUPER 8」と書いてあることもありますが、そうでも無い限りお客さんにはどちらかを見分けるのは困難と言えるでしょう。そこで概算見積フォームではこれらの厚みの平均、つまりスーパーとシングルの中間を想定して概算を計算しています。
お客さんのフィルムがシングルエイトなら上の理由から再生時間は想定よりも長く、本見積の金額は幾分高くなる場合があり、スーパーエイトだと逆に安くなり得ます。